愛され過ぎて…ちょっと引いてます
「専属はもう決まったのか?」

「...いえ」

一瞬目を見開いた向井室長は、そのまま副社長を凝視する。

「そうか」

そう答えた副社長は自席へと戻っていき、とても座り心地の良さそうなオフィスチェアにゆったりと座った。

イケメンさんは座った姿もかっこいいんだなって感心していると、向井室長がその場の空気を変えるように取り仕切った。

「では、千堂さん戻りましょう」

「..えっ、はい!」

私が返事をすると、副社長が向井室長の名を呼んだ。

「向井」

それなのに向井室長は返事をすることなく私の背中にそっと手を添わせて、「さあ」と退室を促す。

すると副社長がさっきより硬い声で呼び止めた。

「向井」

その声に肩をビクッと振るわせて私が振り向くと、副社長のあの強い眼差しが私に向けられているのを見てつい固まってしまった。



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