愛され過ぎて…ちょっと引いてます
嘘みたいな言葉に驚愕する。

目を剥き、口が開き、やや震える。

「え...そんな...信じられません。だって昨日初めてお会いしたばかりなのに」

「そうですね。だから一目惚れなんです」

私とは対照的に、向井室長は冷静だ。

凄いことをサラッと言う。

そんなこと言われても分からない。

一目惚れって、一目惚れって。

だってあの時すごい怖い目で見ていたよ。

そう怖かったもん!

「先程言った通り、副社長は公私混同する方ではありません。それなのにあなたをそばに置いておきたくなったそうです。昨日中に専属を決めてしまう位にね。副社長があの場でそんな感情を持ったことは私も分かりましたけど、専属秘書にするとまでは想像していませんでした。それ位想われてしまったのでしょうかね」

苦笑しながら言う向井室長は反対しなかったのかな?

「千堂さんは正直に言うと、専属の件は嫌ですか?」 

ストレートな質問に困ってしまう。

「嫌とかそういうことよりも、私の実力ではないこの人事に不安になります。あの...専属が覚悟することでないなら、一目惚れされることが覚悟ですか?」

「うーん、もしかしたらもっと強い覚悟になるかもしれませんね」

そう苦笑して言う向井室長に困り顔しか向けられない。

もっと強い覚悟って....何?

不安しかないよ。

すると『バンッ』とまた副社長の部屋のドアが開いて、「また何2人で話しているんだ!」と不機嫌そうな顔を見せた。

本当に私に一目惚れなんてするの?こんなハイスペックイケメンさんが?嘘だよね....。

全く訳の分からない状況に目が白黒としてしまった。
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