恋するオフィスの禁止事項 ※2021.8.23 番外編up!※

時折いつものように頭を撫でてくれて、私は感極まって先輩の首に腕を回してしがみついた。

「先輩っ……先輩……」

少し浮いた背中に手を添えてくれる。

優しい……。 厳しい先輩は、本当はこうしていつも私のことを守ってくれている。

「ん?」

「先輩、好きですっ……」

「俺も……」

キスをせがんできた先輩は、少し余裕のない虚ろな表情をしていた。果てた後、繋がったまま長いキスが続いたが、ふと先輩は唇を離して呟いた。

「あのさ、水野……」

「……はい」

「新しく来る奴と、あんま仲良くすんなよ」

「へ……?」

「一緒に仕事したら誰だってお前のこと好きになる。あんまり気安くしてたら手ぇ出されるぞ」

「そ、そんなことないですよ……」

口を尖らせながらそんなことを言う先輩。赤くなって否定した私だが、ヤキモチを妬かれて嬉しくないわけがなかった。

< 96 / 99 >

この作品をシェア

pagetop