これを愛と呼ばぬなら
「突然失礼しました。僕は新井基樹といいます」
「潮月美沙です」
その男性、新井さんは満足げに微笑むと、再び口を開いた。
「あの夜は、本当にありがとうございました。風邪を引いたりしませんでしたか?」
「私は大丈夫です。家まですぐそこでしたし。あの、あなたは?」
肌寒い夜に、ずぶ濡れだったのだ。熱を出してもおかしくない。
「さすがに翌日体調を崩しました。すぐに良くなりましたけど。……でも、あなたが何ともなくてよかった」
新井さんは安心したようにホッと息を吐いた。ずいぶんと気にかけてくれていたようだ。
「……ずっとあなたに会えたらと思ってたんです。ちゃんとお礼がしたくて」
「お礼だなんて。私は傘をお貸ししただけですし」
ただ私が、ずぶ濡れで立ち尽くしていた新井さんを放っておけなかっただけだ。
「潮月美沙です」
その男性、新井さんは満足げに微笑むと、再び口を開いた。
「あの夜は、本当にありがとうございました。風邪を引いたりしませんでしたか?」
「私は大丈夫です。家まですぐそこでしたし。あの、あなたは?」
肌寒い夜に、ずぶ濡れだったのだ。熱を出してもおかしくない。
「さすがに翌日体調を崩しました。すぐに良くなりましたけど。……でも、あなたが何ともなくてよかった」
新井さんは安心したようにホッと息を吐いた。ずいぶんと気にかけてくれていたようだ。
「……ずっとあなたに会えたらと思ってたんです。ちゃんとお礼がしたくて」
「お礼だなんて。私は傘をお貸ししただけですし」
ただ私が、ずぶ濡れで立ち尽くしていた新井さんを放っておけなかっただけだ。