へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
ほど近くでライザと視線が重なり、弾けるようにして胸の鼓動が速くなった。
ライザなんて大嫌いなはずなのに、それでもやっぱり異性ってだけあってドキドキしてしまう。
それもあるけれど、何か良からぬことを企んでいそうで別の意味でもドキドキしてきた。
「お前、この俺に嘘つこうなんて百万年早ぇんだよ。昨日あの転校生が、お前の前に立ってバカみたいにデカい魔獣を倒したところをこの目ではっきりと見たんだからな」
この目ではっきりと……なんて言っているけど、もしかしてライザもこっそり寮を抜け出していた?
物影からこっそりと、私とルキの様子を見ていたということか。
「いつの間に私たちを見ていたの……?」
こうなればもう言い訳は出来ないと思った私は、蚊のなくような声で聞き返した。
「って言っても、部屋のテラスからだけどな。学校の方角から物音がしたからテラスに出てみると、遠目から尖った岩に串刺しにされている魔獣が見えたんだ。だから俺はすぐさま魔獣をつくって、お前と転校生が魔獣と対峙している姿をカメラに収めてこさせたんだよ」
「そんな……カメラって。それをどうするつもりなの…?」
「あんなデカい魔獣と戦うとか、さぞ楽しそうな夜を過ごしていたみてぇだな?」
耳元で聞こえる吐息混じりの声に、ゾクゾクと背筋が寒くなった。
寮を抜け出したというお前の弱味は握ったぞ、と言っているかのようないじわるな目。
私は声を震わせ「お願いだからカサエル先生には言わないで…」と泣きそうになりながら懇願する。