へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


後ろからエイミーが「今日一緒にお昼ごはん食べようって言いなよ‼」と耳元で言ってくる。

だけどもちろんルキを誘う勇気なんてなかった私は「あっ、ごめん何の用だったか忘れちゃった‼」と逃げるように教室を飛び出してしまった。



「んもうメイベル‼どうして逃げちゃうのよーっ‼」

「だって一緒にお昼ごはん食べようなんか、そんなこと怖くて言えないってば‼拒否されるかもしれないじゃんか!」

「何言ってんのよメイベル‼前に一度、ルキくんと2人でお昼ごはん食べたんだから、拒否なんかされるわけないでしょ!心配しすぎだよ!」



「あの時と今では状況が違うの」と負けじと言い返す私とエイミーの間にアシュリーが「まぁまぁケンカはしないでよ」とむりやり割って入って来た。



アシュリーが間に入ってきたことによって、エイミーと私の言い合いはそこで収まった。

その後はエイミーと話すこともなく、エイミーと私の間を流れる不穏な空気を払うこともなく下校時間を迎えた。



今夜はルキに会ったあと、ライザの見張り役をやらなきゃいけないから、また寮を脱走しなきゃいけない。

でも脱走をするには、消灯時間の22時〜23時までの間を不定期に見回るエリノア寮長の目をかいぐくる必要がある。



いつもは私にそっくりな不気味な枕を使い、エイミーに『メイベルは体調が悪くて早々と寝ました』と嘘をついてもらうことでエリノア寮長の目を欺いているのだけれど。



今はエイミーとは険悪なムードだから、脱走の協力をしてほしいだなんて頼めない。

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