へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
「感情のある魔獣かぁ。ってことは、高い魔力でつくられた強い魔獣同士でしかテレパシーで会話はできないんだね」
「それは違うよ、メイベル」
ピーちゃんは「どういうこと?」とすかさず聞き返した私に首を横に振りながら「創作主が愛情をこめてつくっているから感情のある魔獣が生まれるんだよ」と優しい口調で教えてくれた。
「僕はルキ様からたくさんの愛情を注いでもらってつくられたから、豊かな感情を持って生まれたんだ。メイベル、それがどういう意味かわかる?ルキ様は、メイベルのためだけを思いながら僕をつくったんだよ」
「ルキが……私のためだけを思いながら?」
はじめてルキと寮を抜け出した夜のことを思い出した。
ルキは私の「魔獣をつくってみて!」という半ば強引なお願いを承諾してくれて、私が望んだとおりにピーちゃんをつくってくれたんだ。
「そうだよ。ルキ様はメイベルを少しでも喜ばせてあげたいって、とにかくその想いでいっぱいだったんだよ」
『どうかなぁ……自信はないけど、やってみるよ』と言いながらもルキは平然とした様子で魔法の詠唱をしていた。
でも内心では少しでも私の理想に近づけるよう、頑張らなきゃって一生懸命だったのかもしれない。
そう思うと焦げるように胸が熱くなってきて、こみ上げてきた涙で視界いっぱいを埋める木々がぼやけて見えた。