へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


感情のある魔獣をつくるために必要だったのは、高い魔力と細かなイメージではなくて、愛情だったんだ。



ということはレックスさんは、ルキのことを『役に立つ道具』だなんて言っておきながらも、本当はそう思っていなかった?

ルキのことを10年もの間、休まず探し続けていたのは、そこに深い愛情があったから?

ルキが湖のほとりで釣りをするレックスさんの横顔を見ながら『この人は大切な人だ』って思っていたように、レックスさんも同じような感情を抱いていた?



そんな憶測を浮かべていると、ある答えにいきついた。



もしかしてレックスさんは、ずっと友達が欲しかったんじゃないのかって。

魔力が高すぎるからってだけで怖がられ、クラスメイトたちから孤立していて、本当は寂しかったのかもしれない。



だから魔獣をつくっては、構ってもらいたいがためにクラスメイトを襲わせたりしていたということなのか。



母である校長先生でさえも、レックスさんの寂しい心に気づけなかったから。

だからレックスさんは、友達がほしい一心でルキをつくった。



その強すぎる思いが、ルキに感情を与え言葉を与えたのかもしれない。

私にはそんな気がした。
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