へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


「メイベル、その足大丈夫?居残り掃除かわりに私がやろっか?」

「ありがとう、エイミー。大丈夫だよ、ホウキで床を掃くくらいならできるから」



一方で私はというと、氷柱が突き刺さってしまった左の太ももを10針も縫った。

まだジンジンと痛むから、左足を引きずりながら歩いているっていう状態。



そんな中でカサエル先生に「寮を抜け出し危険な森に足を踏み入れた罰として、1ヶ月間教室の居残り掃除だ」とこっぴどく叱られてしまい…。

今日から1ヶ月間も、一緒に罰を受けたライザとともに教室の掃除をしなくちゃいけないのだ。



「ほんっとに鬼教師だよね。ケガ人に居残り掃除ってさぁ‼」



そんなことを言いながら頬を膨らませているエイミーとは、今ではすっかり元の仲良しな関係に戻っている。



「おい、万年最下位。いつまでもべらべら喋ってないでさっさと掃除しろよな」



ふてくされた顔で私とエイミーの会話を止めたライザは「早くしろ」とばかりにホウキを手に押しつけてきた。

エイミーは「あのライザが本当にメイベルを助けたりなんかしたの?信じられないわ、やっぱり」と小声でぶつぶつ言いながら教室を出て行った。

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