【BL】お荷物くんの奮闘記
回復のマジックスクロールは宿屋だ。自分の回復魔法も、対象のリュータがあれほど離れた場所で戦っているのでは届かない。
空の塔からなら高度は近づけるかもしれないが、距離自体が離れてしまう。
遠隔攻撃可能な魔法はまだ覚えていないし、脱出魔法は発動に時間がかかるため上空まで行ってリュータを捕まえることができたとしても地上まで無事に着地ができない。
「……師匠、頼む! 知恵を貸してくれ!」
「なんだよ」
焦りが思考を邪魔してくる。助けを呼ぶと、分かっていたのかほとんど同時に師が腕輪から出てきた。
「あいつを止めたい。リュータの体力も魔力も減りが早すぎる。このままじゃあいつ死んじまう」
「……無理だな」
腕輪の上で、師匠が視線を落とした。
「あれは、もう人間であることを捨てている」
「何言って……」
「元々、あいつは光なんだ」
師匠の言葉の直後、スマホのガジェットがバイブと一緒に通知音を鳴らす。
「人間じゃないんだよ、最初っからな。光を司る天使だった」
空の塔からなら高度は近づけるかもしれないが、距離自体が離れてしまう。
遠隔攻撃可能な魔法はまだ覚えていないし、脱出魔法は発動に時間がかかるため上空まで行ってリュータを捕まえることができたとしても地上まで無事に着地ができない。
「……師匠、頼む! 知恵を貸してくれ!」
「なんだよ」
焦りが思考を邪魔してくる。助けを呼ぶと、分かっていたのかほとんど同時に師が腕輪から出てきた。
「あいつを止めたい。リュータの体力も魔力も減りが早すぎる。このままじゃあいつ死んじまう」
「……無理だな」
腕輪の上で、師匠が視線を落とした。
「あれは、もう人間であることを捨てている」
「何言って……」
「元々、あいつは光なんだ」
師匠の言葉の直後、スマホのガジェットがバイブと一緒に通知音を鳴らす。
「人間じゃないんだよ、最初っからな。光を司る天使だった」