【BL】お荷物くんの奮闘記
恐る恐る、ステータス画面を開き直す。リュータの職業欄は、見慣れた『パラディン』から、『ウリエル』に変わっていた。
「どういうわけだか人間に転生して、おまえさんのとこに居たようだが……こんな早く、こっちに帰ってきやがった」
「止められないって……ことかよ」
炎の翼を広げたリュータの右手が、仮面の男の胸を貫く。体内から宝玉らしきものを掴み出して彼が握り潰すと、男は傷口から色を失い、砂山のように崩れていった。
灰になり消えていく男とともに、力尽きた彼が地上へ向かって落ちてくる。
「リュータ!」
駆け寄って、落ちてくる身体を抱き締める。腕は悲鳴を上げたが、一緒に倒れ込んでも手は離せなかった。
彼に手を伸ばした際に石畳に転がったスマホが、また通知を鳴らす。
震える指で、通知を開く。ステータス画面のリュータの体力が、魔力値とともにゼロになっていた。
動かない心臓が、あの夢と重なる。
「……師匠、悪い、言いつけ破るわ」
「どういうわけだか人間に転生して、おまえさんのとこに居たようだが……こんな早く、こっちに帰ってきやがった」
「止められないって……ことかよ」
炎の翼を広げたリュータの右手が、仮面の男の胸を貫く。体内から宝玉らしきものを掴み出して彼が握り潰すと、男は傷口から色を失い、砂山のように崩れていった。
灰になり消えていく男とともに、力尽きた彼が地上へ向かって落ちてくる。
「リュータ!」
駆け寄って、落ちてくる身体を抱き締める。腕は悲鳴を上げたが、一緒に倒れ込んでも手は離せなかった。
彼に手を伸ばした際に石畳に転がったスマホが、また通知を鳴らす。
震える指で、通知を開く。ステータス画面のリュータの体力が、魔力値とともにゼロになっていた。
動かない心臓が、あの夢と重なる。
「……師匠、悪い、言いつけ破るわ」