【BL】お荷物くんの奮闘記
 半身を起こしていたところに彼が膝をつく。両肩を強く押され、気付けばその場に押し倒されていた。


「こういうことを望んでも、異論はないんだな」


 ああこの体勢でこいつのこと見上げるの二回目だ。言われている意味が分かってしまって、つい現実逃避したくなる。


「……い、ま、ここで?」


 自分が童貞非処女になれば取引成立。まさかこいつ相手にそんな方向に進むとは思ってもいなかった。隣でのんきに寝息を立てているリュータをちらと見る。


 声が震えているのに気付かれたのだろう、ヴェルターが吹き出した。


「冗談だ。……おまえが知りたいというのなら、オレと来ればいい。仕事の手伝いくらいはできるだろう」


 じょうだん? あっ、冗談! よかった冗談か。からかわれただけか。

そりゃそうだ。考えてみれば、ヴェルターはなかなかの強面だが美形の部類には入る。男、それも美少女っぽかったりも筋肉質だったりもしないどこにでもいそうな外見をしている自分に対し、ああいうことを要求しなければならないほど相手に不自由はしていないだろう。


 ヴェルターは笑いながら、その場を離れていく。


「対価については、考えておく」


「……じゃあ、」
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