【BL】お荷物くんの奮闘記
「あれ?」


「嫌な予感が当たったか……ここから先の迷路、どうやら自動生成ダンジョンらしいな。記憶はあてになんねえ」


「攻略し直しかあ……」


「扉の数が少ない方に進むって攻略条件は自動生成ダンジョンでも同じだろ。とりあえず全部開けてどっち進むか決めようぜ」


 前方と右側の部屋を確認してみる。しかし、左右正面三カ所すべて、扉の数は四枚だった。

おそらく次かその次の部屋で扉の枚数が減っていけば正解の道なのだろうが、どの方向に進むか、序盤で決められないのは痛い。


「確か、この部屋には魔物は出ないんだったよね?」


「そうだな。やっぱちまちましらみつぶしに探しにいくしか」


「おれ一人で行ってこようか」


 全部の部屋で戦わずに次の扉開けて、扉の数数えて戻ってくればいいんだよね。自動生成マップと知って現状を理解したリュータが、RPGではないからこそできる方法を提案してきた。

リュータの実力なら、出てくる魔物がどの種類でも交戦せず逃げるを繰り返して様子見できるだろう。


「それが一番効率は良いと思うが、次のフロアでいきなりあの亀みたいな外れボス部屋来たら大変だろ」


「その時はユウジにもらったこれ使って戻ってくるから」


 言って見せられたのは、設定した相手の元に飛べるオリジナルスペルを詰めたスクロールだった。屋内向けには作っていない。
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