【BL】お荷物くんの奮闘記
「そりゃ使えるだろうけど、それ部屋の中で使うと壁に衝突……」
「平気だよそれくらい」
大丈夫そうな気がしてきた。そういえば東国のワープバグで遺跡に飛ばされた時、リュータは壁をぶち抜きながら転移スクロールを使ったのだったか。
「分かった。気をつけて行ってこい」
頷くリュータに、持参したHP回復薬を持たせて送り出す。まず左から行ってくるね、と扉の向こうに彼が消え、さほど時間も経たないうちに再び扉が開かれた。
「ユウジ、こっちは次の部屋とその次の部屋まで扉四枚だったよ」
「さんきゅ。じゃああとは右と正面だな」
「正面行ってくるね」
再び部屋からリュータが出て行く。扉が閉まったタイミングで、プロフェットがぼそりと呟く。
「天使様は、本当にここにいらっしゃるのかな」
「いると思うぜ。……レツに先越されてなけりゃな」
「レツ……? ユウジは、守護者とはもう会ったんだ?」
「ああ。だいぶ前に会ってたのに、気付いてなかった。リュータが珍しく人見知りしてたのにもうちょい気を付けてれば、もっとスマートにことを進められたんだろうけど」
レツと初めて会った時、リュータは相手がユウの仇と知らないにも関わらず本能で警戒していた。
あの時に逃げていれば……というのは流石に無理でも、せめてよけいな情報を口走ったりしていなければとどうしても考えてしまう。
「平気だよそれくらい」
大丈夫そうな気がしてきた。そういえば東国のワープバグで遺跡に飛ばされた時、リュータは壁をぶち抜きながら転移スクロールを使ったのだったか。
「分かった。気をつけて行ってこい」
頷くリュータに、持参したHP回復薬を持たせて送り出す。まず左から行ってくるね、と扉の向こうに彼が消え、さほど時間も経たないうちに再び扉が開かれた。
「ユウジ、こっちは次の部屋とその次の部屋まで扉四枚だったよ」
「さんきゅ。じゃああとは右と正面だな」
「正面行ってくるね」
再び部屋からリュータが出て行く。扉が閉まったタイミングで、プロフェットがぼそりと呟く。
「天使様は、本当にここにいらっしゃるのかな」
「いると思うぜ。……レツに先越されてなけりゃな」
「レツ……? ユウジは、守護者とはもう会ったんだ?」
「ああ。だいぶ前に会ってたのに、気付いてなかった。リュータが珍しく人見知りしてたのにもうちょい気を付けてれば、もっとスマートにことを進められたんだろうけど」
レツと初めて会った時、リュータは相手がユウの仇と知らないにも関わらず本能で警戒していた。
あの時に逃げていれば……というのは流石に無理でも、せめてよけいな情報を口走ったりしていなければとどうしても考えてしまう。