【BL】お荷物くんの奮闘記
 管理者登録の意味が理解できないらしい彼には苦笑で流しておく。

よくわかんないけど輝炎の神殿だね、と繰り返したので、次の目的地は把握できただろう。

上書き保存の仕組みからすると、輝炎の神殿にも自分たちが訪れる前――ウリエルがリュータとして現代に転生していた頃には次代のウリエルが居たのかもしれないが、リュータがこの世界に召喚されたと同時にリュータの中に上書き保存されたのだろう。

普通の中学生だったはずのリュータがこの世界にやってきて突然高レベルの勇者になった理屈も、ひょっとしたらそのあたりにあるのかもしれない。

彼が現代で魔法などの不思議な力を上手く隠し通せていたとはどうにも考えられないのだ。


 プロフェットは旅に同行するにあたり、空の塔をしばらく不在にしても気付かれないように細工をしてくると話していた。

食事を済ませて一旦解散し、休息もかねて明日の朝、再度中央都市の門前で集合することになった。


 荷物をまとめたら待ち合わせの時間よりも少し早めに出て、門前でヴェルターの居る王都までの転移用座標を設定しておいた方がスムーズだろう。

構成が終わったところで一時中断し、集合を待つつもりだ。


 買うだけ買って宿屋に放置していたアイテムの類も整理して、それから時間が許すようならオリジナルスペルの詰め込み作業も非常時に備えておくべきだろうか。

プロフェットと別れてリュータと二人で宿に戻りながら、夜までの数時間の予定を考える。


 いや、それよりも最優先にすべきことがあった。
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