【BL】お荷物くんの奮闘記
ワープというより原理は現在位置情報の書き換えにあたるのですり抜け機能もなにもないのだが、そこまで話したところで彼には伝わらないだろう。
「あれ、じゃあ服脱がなくても、手とかでいいんじゃ」
「術者が死んだら跡形無く消えるけど、皮膚には小さな魔法陣が刻印されるんだよ。目立って仕方ねえし、魔法陣に初期傷以外の傷が付くと傷跡が完治するまで無効化されちまう」
後衛の自分はともかく、生傷の絶えない前衛の彼では手足の傷なんて日常茶飯事だ。
どうせならめったに攻撃を食らわない――無意識に攻撃を避けるような急所に印をつけておくべきだろう。
「初期傷って?」
だんだん説明するのが面倒になってきた。指先にオリジナルスペルを構成して、人差し指で彼の首筋をなぞる。彼が身を固くした。
ちょっと痛いけど我慢な。そう前置いて触れた皮膚を食み、歯を立てた。滲み出る血液が滴らないよう、傷口を軽く舐める。
赤い傷跡が小さな魔法陣に変わったのを確認して離れると、リュータが先ほどの姿勢のまま固まっていた。
「リュータ? おーい、大丈夫か。そんな痛かったか」
何か失敗しただろうか。声を掛けてみる。
「う、ううん、だいじょうぶ、だいじょうぶじゃないけどだいじょうぶ」
彼は首振り人形のようにかくかくと何度もぎこちなく頷いて、意味の通らない言葉を連ね始めた。説明抜きで行ったこともあって混乱しているのかもしれない。
「じゃあ次オレな」
「あれ、じゃあ服脱がなくても、手とかでいいんじゃ」
「術者が死んだら跡形無く消えるけど、皮膚には小さな魔法陣が刻印されるんだよ。目立って仕方ねえし、魔法陣に初期傷以外の傷が付くと傷跡が完治するまで無効化されちまう」
後衛の自分はともかく、生傷の絶えない前衛の彼では手足の傷なんて日常茶飯事だ。
どうせならめったに攻撃を食らわない――無意識に攻撃を避けるような急所に印をつけておくべきだろう。
「初期傷って?」
だんだん説明するのが面倒になってきた。指先にオリジナルスペルを構成して、人差し指で彼の首筋をなぞる。彼が身を固くした。
ちょっと痛いけど我慢な。そう前置いて触れた皮膚を食み、歯を立てた。滲み出る血液が滴らないよう、傷口を軽く舐める。
赤い傷跡が小さな魔法陣に変わったのを確認して離れると、リュータが先ほどの姿勢のまま固まっていた。
「リュータ? おーい、大丈夫か。そんな痛かったか」
何か失敗しただろうか。声を掛けてみる。
「う、ううん、だいじょうぶ、だいじょうぶじゃないけどだいじょうぶ」
彼は首振り人形のようにかくかくと何度もぎこちなく頷いて、意味の通らない言葉を連ね始めた。説明抜きで行ったこともあって混乱しているのかもしれない。
「じゃあ次オレな」