【BL】お荷物くんの奮闘記
 魔法使い二人と戦士一人という指定があったのは、おそらく風雷の神殿でレツが戦闘メンバーを見ていたからである。

戦士がヴェルター、魔法使い二人はノアと自分のことで間違いない。

差し出せと言っているからには、その三人の身柄は死んでいようが生きていようが一度レツまたはカインのもとに引き渡される。顔を確認するためだろう。


「世界の王はオレたちの顔を知っている。特にオレに関しては、ごまかしは効かない」


 現代の話を持ち出されてうまく反応ができなければレツには見破られてしまうからである。

似た顔の人間を殺してから引き渡せば誤魔化せるかもしれないが、たったそれだけのために誰かを身代わりに殺すなんて論外だ。しばし考えて、再び口を開く。


「受けてやろうぜ、宣戦布告。誰も死なずに乗り切る手だてに、ひとつ心当たりがある」


「まさか本人が捕まりに行くなどとは言うまいな」


「なわけねえだろ。勝てるかどうかは分からないが、“絶対に負けない”方法なら見つけてやれるかもしれないんだ。まずヴェルター、この大陸の全体マップ――地図かなにかを国王あたりが保有してないか?」


 軍事機密だと言われてしまえばそれまでだが、それがあるとないとでは作業効率や精度がかなり変わってくる。


「民間人には提示不可だが、オレの部屋に写しが置いてある」


 地図の管理を任されるとは、思った以上にだいぶ偉い地位の騎士団長様だったようだ。


「貸してくれるか?」
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