【BL】お荷物くんの奮闘記
「作戦の全貌を説明するならな」


 現時点できるかどうか分からない段階ですべてを話すのは少々居心地が悪いのだが、彼の言い分も理解できる。この場にいる全員にわかりやすいたとえに置き換えて、ざっと説明を始めた。


「……大賢者の魔法を使うことで、世界の王が一切干渉できない空間を作ることができるかもしれない。

その干渉不可空間を、王都の城壁を取り囲むように輪状に発生させれば、王都全体で完全籠城が可能だ。

その仕掛けを王都だけでなく、大陸中の狙われそうな集落すべてに施しておけば世界の王は一切侵略ができなくなる」


「集落の位置を確認するために地図が必要、ということか」


「ああ。そんで、皆には安全に籠城してもらってる間に、オレたちで今回の問題を解決する」


 ヴェルターが頷いたのを見て、ひとまず納得してもらえたことに胸をなで下ろす。


「ってことは、一回ヴェルターのところに行って、そこで魔法使って、そのあとおれたちだけ王都から出て魔王城に乗り込む? の?」


 難しい流れをどうにか飲み込もうとしているリュータに、だいたいあってるけど、と補足する。


「ただ、その作業をするにはまずオレが輝炎の神殿に居ないといけないんだ。だからヴェルターから地図を受け取ったらオレだけ神殿に向かって、他の皆はヴェルターと一緒に王都内で待機しておいてほしい。

もしオレが失敗したら、その時の守りの要になってもらわないといけない」


 ノアにも連絡が付くようなら来ておいてもらったほうがいいかもしれない。作っておいた王都への転移魔法をそのまま展開させて、全員で王都へ向かいながら荷物の中のてるてる坊主――もとい、通信アイテムに手で触れてみる。
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