【BL】お荷物くんの奮闘記
「城内は今混乱しきっている。へたに動いて刺激するわけにはいかん、部屋で詳細な段取りを聞こう」


 到着後は、言われるままヴェルターに割り当てられた部屋へ招かれた。

質素な味気ない部屋に僅かながら生活感がある。実際西洋の騎士がどんな生活をしていたのかは知らないが、ヴェルターは登庸後も長くここに住んでいるようである。


 デスクの鍵を解錠して、引き出しから地図を取り出した。


「これが役に立つんだな?」


 ヴェルターから手渡されたそれにざっと目を通す。スマホのフィールドマップと比較して、全体の集落位置が把握できることを確認した。


「ああ、大丈夫そうだ。ちょっと机貸してくれ」


 ほとんど何も置かれていないヴェルターのデスクに地図を広げる。

それから全体が写るようにカメラ機能で撮影した。

あとはフィールドマップをスクリーンショットして、記録が住んでいる町を目印に縦横比を調節、上から画像を合成して正確な座標を出すだけである。ヴェルターに紙の地図を返却する。


「もういいのか」


「記録は済んだしな」


 それからノアに連絡を取って、都合がつくようなら手を貸してくれと伝えておいた。用意ができ次第すぐに参りますと話していたから、こちらも問題ないだろう。
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