【BL】お荷物くんの奮闘記
 プロフェットに大賢者のオリジナルスペル――一般魔法と構成の異なる蘇生魔法も念のため以前師匠に教わった通りにそのままレクチャーしておいた。

この過剰戦力ならリュータは天使化することもないだろうが、万一天使化してしまった場合に一般魔法の蘇生術で回復できなかったとしたら彼を前衛に据えた判断を後悔することになる。

一般魔法で効果がない場合に試してくれと言い置いて、その場を離れた。


「じゃ、後はしばらく任せたぜ。オレは輝炎の神殿に行ってくる」


「気をつけて、ユウジ」


 プロフェットたちに見送られてヴェルターの部屋の前を後にする。

外に出て、さて転移魔法で移動できるところまでショートカットするかと座標設定を始めようとしたところで、すぐに後ろから追いかけてくる足音が響いた。


「ユウジ!」


 リュータだ。MP回復薬はいくつか持ったし、スマホも腕輪もある。何か忘れ物でもしただろうか、足を止めて振り返る。彼が眉根をよせて、詰め寄った。


「おれも行く」


 忘れ物などではなく、いつもの心配性だったようである。だめだ、と左手を振る。


「おまえは残れ。一番レベル高いし、おまえが居てくれたらもしオレが失敗しても取り戻せる」


「でも、ユウジ一人行かせるなんて」


「輝炎の神殿は魔物がちろっと出るくらいで、天使なんて来ねえだろ」


「そうだけど、ユウジだけ魔王軍の居る危険な外に」


「だから、さくっと行って帰ってくるって。おまえがちゃんと結界無効範囲の門前に居てくれれば、その穴めがけて転移魔法使うことだってできるんだしさ」


 そのためのコレだろ。自分の首筋を指して笑ってみせる。


「必ずおまえのところに戻ってくる。約束するよ」
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