【BL】お荷物くんの奮闘記
思い立った直後、門に向かって風の広範囲魔法が飛んできた。
「魔王軍だ!」
魔法を放ったのは空を埋め尽くすハーピーはじめとする鳥型魔物たちではない。大群を率いて先頭を飛ぶ、鳥人の半魔族だった。
「おまえたちに恨みはないが……カインの願いを叶える。あの子にすべてを背負わせて死んでしまった、オレにできる罪滅ぼしだ」
半魔族の言葉に覚えのある名前を聞いて、耳を疑う。
「カイン……?」
「皆さん、気をつけてください。やはり、彼は世界の王、カインの配下――飛空術士部隊です……!」
「カインって、まさか」
あの時、雨の中で目を回していた自分を家に入れてくれた優しい魔法使いの少年。彼の名前もまた、「カイン」だった。
同名の他人であることを願いたいが、ユウジが舌を巻いた移動魔法のオーブはそこらの駆け出し魔法使いには扱えない代物だったろうことは自分でも想像がつく。
攻撃を仕掛けてきた半魔族の魔法を白亜の剣で斬り伏せる。
次いで降るハーピーたちの初級魔法にHPを持って行かれたが、痛みを感じる前に後に控えたプロフェットの回復魔法が前衛を包んだ。
「大丈夫か」
隣で槍を振るうヴェルターが、こちらに声を掛けてくる。
動揺する出来事が二ついっぺんにやってきたが、今はここを切り抜けなければ先にも進めない。
「魔王軍だ!」
魔法を放ったのは空を埋め尽くすハーピーはじめとする鳥型魔物たちではない。大群を率いて先頭を飛ぶ、鳥人の半魔族だった。
「おまえたちに恨みはないが……カインの願いを叶える。あの子にすべてを背負わせて死んでしまった、オレにできる罪滅ぼしだ」
半魔族の言葉に覚えのある名前を聞いて、耳を疑う。
「カイン……?」
「皆さん、気をつけてください。やはり、彼は世界の王、カインの配下――飛空術士部隊です……!」
「カインって、まさか」
あの時、雨の中で目を回していた自分を家に入れてくれた優しい魔法使いの少年。彼の名前もまた、「カイン」だった。
同名の他人であることを願いたいが、ユウジが舌を巻いた移動魔法のオーブはそこらの駆け出し魔法使いには扱えない代物だったろうことは自分でも想像がつく。
攻撃を仕掛けてきた半魔族の魔法を白亜の剣で斬り伏せる。
次いで降るハーピーたちの初級魔法にHPを持って行かれたが、痛みを感じる前に後に控えたプロフェットの回復魔法が前衛を包んだ。
「大丈夫か」
隣で槍を振るうヴェルターが、こちらに声を掛けてくる。
動揺する出来事が二ついっぺんにやってきたが、今はここを切り抜けなければ先にも進めない。