【BL】お荷物くんの奮闘記
牢じゃなくてふつうの部屋に閉じこめたおまえが悪いんだからなレツ。ベッドマットから外したシーツを一部裂いて身体に巻き付け、残りを繋げて縄代わりに使うことにする。
ドアノブを通してフィギュア棚からテレビに巻き付け重石を確保し、命綱が安定したことを確かめて窓の外に垂らした。
かろうじて、落ちても怪我はしないだろう高さのところまではシーツを伝って降りることができそうだ。
気分は漫画の主人公である。
そろりそろりと降りた先は魔王城の中庭にあたる部分のようで、先ほど上の部屋から確認した限りでは中庭を東方向に突っ切っていけば屋内に移れるはずだ。
裸足で屋内に駆け込んで、内装を見る。リュータたちの映像がテレビに写った時の内装に近い。このまま南に向かうと入り口に進むことになりそうだ。
北方向へ移動して、何度か扉を潜った先で剣戟の音が耳に入った。この扉の先だ。
最後の扉を開けると、そこには斧を振り回すレツと剣を交えるリュータ、ヴェルター、部屋の端から補助するノアとプロフェットの姿があった。
「リュータ!」
こちらに気付いた彼が、レツから一度距離を取って視線を寄越す。
「ユウジ! ……え、その格好」
リュータだけでなくヴェルターもノアもプロフェットも、シーツを巻いただけのひどい格好に目を丸くしている。
レツはその隙に攻撃を再開するでもなく、同じくこちらのなりを見てとうとう大爆笑した。
「ユウジ……おまえすげーカッコで来たな」
「おまえのせいだろうが! 全部ひん剥きやがって、服返せあとスマホも」
こちらは必死だったのだ。笑われる筋合いはない。
ドアノブを通してフィギュア棚からテレビに巻き付け重石を確保し、命綱が安定したことを確かめて窓の外に垂らした。
かろうじて、落ちても怪我はしないだろう高さのところまではシーツを伝って降りることができそうだ。
気分は漫画の主人公である。
そろりそろりと降りた先は魔王城の中庭にあたる部分のようで、先ほど上の部屋から確認した限りでは中庭を東方向に突っ切っていけば屋内に移れるはずだ。
裸足で屋内に駆け込んで、内装を見る。リュータたちの映像がテレビに写った時の内装に近い。このまま南に向かうと入り口に進むことになりそうだ。
北方向へ移動して、何度か扉を潜った先で剣戟の音が耳に入った。この扉の先だ。
最後の扉を開けると、そこには斧を振り回すレツと剣を交えるリュータ、ヴェルター、部屋の端から補助するノアとプロフェットの姿があった。
「リュータ!」
こちらに気付いた彼が、レツから一度距離を取って視線を寄越す。
「ユウジ! ……え、その格好」
リュータだけでなくヴェルターもノアもプロフェットも、シーツを巻いただけのひどい格好に目を丸くしている。
レツはその隙に攻撃を再開するでもなく、同じくこちらのなりを見てとうとう大爆笑した。
「ユウジ……おまえすげーカッコで来たな」
「おまえのせいだろうが! 全部ひん剥きやがって、服返せあとスマホも」
こちらは必死だったのだ。笑われる筋合いはない。