【BL】お荷物くんの奮闘記
「えっ、えっユウジそれどういうこと」


「わははは。おれがお持ち帰りして脱がした」


「……目が覚めたらすっ裸でレツのベッドに縛られてたのは確かだけど」


 そこでプロフェットたちが明後日の方向へさっと目を逸らす。

笑いの収まらないレツと気まずい自分の間で、リュータが無表情になった。


「おいリュータ勘繰るなよ。何もなかったって」


「その首の傷」


「げっ、忘れてた」


 肩まで隠しておくべきだったかもしれない。それはそれで動きづらそうだが、色んな痕やら傷やらが集中している首もととこの格好ではなにもなかったと考える方が難しいだろう。


「ほら、次に会ったら味見の続きなって約束したろ?」


「レツは黙れ。してねえよそんな約束」


 一方的に取り付けられただけの話など、こちらが構ってやる義理はない。リュータがこちらに近付いて、学ランの上着を肩にかけてくれた。

いやまあ、これはこれでちょっとあれな気がしなくもないけど。

ほんとに暴漢に襲われて服だめにされた女子みたいじゃんオレ。一応気遣いはありがたく受け取っておく。


「ほんっとおまえらおもしれーよな。さあて、いい感じにリュータもやる気になってくれたことだし。……再開すっか」


 ひとしきり笑ったレツが、すっと表情を変えた。
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