【BL】お荷物くんの奮闘記
「ファンタジック異世界のくせして醤油とかあるしな。もう何が来ても驚かねえわオレ」
空の塔なのに新しいほうの東京の電波塔デザインじゃないのも突っ込みどころだ。突っ込んだら負けなのかもしれない。
「案内できるのはここまでだ。最上階へはそこの階段を使って行くといい」
「ヴェルター、おまえは? オレらだけ行って神託者とやらは分かるのか」
「問題ないだろう」
最上階のひとつ下の階で停止したエレベーターもどきを降りる。車椅子用だか子供用だか、開閉ボタンが通常位置と低位置の二箇所に付けられている。妙なところだけバリアフリーなのを見ると、異世界を行き来した人間がデザインの意図を分からないまま丸パクしたのかもしれない。
そして、その推測が正しいならば、こちらの世界とあちらとで意図的に行き来する手段が存在するということでもある。
最上階への階段は、エレベーターもどきの到着した場所から向かって左、すぐ見つけられる場所にあった。警戒しているのか、横に並んで階段を登るリュータが帯剣した柄に指先で触れている。
階段を登りきると、円状のフロアの中心で神父のような格好をした男性がテーブルでお茶を飲んでいた。
空の塔なのに新しいほうの東京の電波塔デザインじゃないのも突っ込みどころだ。突っ込んだら負けなのかもしれない。
「案内できるのはここまでだ。最上階へはそこの階段を使って行くといい」
「ヴェルター、おまえは? オレらだけ行って神託者とやらは分かるのか」
「問題ないだろう」
最上階のひとつ下の階で停止したエレベーターもどきを降りる。車椅子用だか子供用だか、開閉ボタンが通常位置と低位置の二箇所に付けられている。妙なところだけバリアフリーなのを見ると、異世界を行き来した人間がデザインの意図を分からないまま丸パクしたのかもしれない。
そして、その推測が正しいならば、こちらの世界とあちらとで意図的に行き来する手段が存在するということでもある。
最上階への階段は、エレベーターもどきの到着した場所から向かって左、すぐ見つけられる場所にあった。警戒しているのか、横に並んで階段を登るリュータが帯剣した柄に指先で触れている。
階段を登りきると、円状のフロアの中心で神父のような格好をした男性がテーブルでお茶を飲んでいた。