【BL】お荷物くんの奮闘記
「まずは、この街についてだ。他の街だと純粋な人間ほど外を出歩くことなく、仕事でも重役ばかりみたいだったが、この街は普通に人間が店頭販売をしたり、店先で商品を値切ったりしている。どういうことだ?」
この世界では他種族の血が混じっていない純粋な人間が力を持つとされている。その法則が適用されない中央都市だ。
日本のデパートで良く見かけるタイプの蛍光色で扉が塗られたエレベーター、日本食にしか使いそうにない調味料、ここに来て唐突に『感じなくなった』異世界という違和感が、逆に薄ら寒い。
「この街は、種族で差別されない中立都市でもあるんだ」
微笑を貼り付けて、プロフェットが口を開く。
「実力だけが評価されて、身分関係なくのし上がれる街。ヘイブンとも呼ばれている」
楽園ではなく、安息の地という意味合いだろうか。
「ここで見てきた、特殊な文化も気になるのかな。この場所は、皆が神様と呼んでいる存在――世界の王の実験場でもあるんだよ。
王様が思いついたもの、再現したいものをここでテスト運用して、うまく他地域の文化に馴染みそうなら技術を流通させる。難しければこの街だけにとどめておく。
そのあたりの匙加減は、僕を通して街の皆に伝えられるんだ」
この世界では他種族の血が混じっていない純粋な人間が力を持つとされている。その法則が適用されない中央都市だ。
日本のデパートで良く見かけるタイプの蛍光色で扉が塗られたエレベーター、日本食にしか使いそうにない調味料、ここに来て唐突に『感じなくなった』異世界という違和感が、逆に薄ら寒い。
「この街は、種族で差別されない中立都市でもあるんだ」
微笑を貼り付けて、プロフェットが口を開く。
「実力だけが評価されて、身分関係なくのし上がれる街。ヘイブンとも呼ばれている」
楽園ではなく、安息の地という意味合いだろうか。
「ここで見てきた、特殊な文化も気になるのかな。この場所は、皆が神様と呼んでいる存在――世界の王の実験場でもあるんだよ。
王様が思いついたもの、再現したいものをここでテスト運用して、うまく他地域の文化に馴染みそうなら技術を流通させる。難しければこの街だけにとどめておく。
そのあたりの匙加減は、僕を通して街の皆に伝えられるんだ」