君ノいない世界 【完】
予想外のからも外れそうな勢いのセリフに驚いた。
ハクの、君のことを急に持ち出されて、低い声で怒ってしまった。
僕の言葉が届いたのか確認もできないまま、ミクはプールの入り口を全力で通過して行ってしまった。サッカー部のマネージャー達はあわてて追っていく。
僕を含め、男子勢は何があったのかと固まっていた。

「とうとう、言ったか。」

「リオの前だとすっかり女の子だな」

前言撤回。
僕以外はみんな何か知ってたみたいだ。
のけ者かよ。
幼稚的な暴言を吐く。それぐらい頭がショートしかけていた。

「タ、スク?」

「あぁ分あってるよ、こっち来て」

タスクがいる方へ行くとプールサイドにどちらからともなく腰を掛けた。
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