君ノいない世界 【完】
一息つくように、みんなに配布させていたラムネの缶を飲む。

「ミクの言ったことだろ?」

僕は無言で頷く。冷えたラムネが頭も冷やしてくれた。
タスクは、一口飲むとため息をついた。

「あれ、本当だ。」

「……え。」

「俺、相談されてたからよ」

「そ、なんだ。」

あんなに必死な姿初めて見た気がする。
ミクはずっと笑ってるから。

「ってかお前とミク以外みんなずっと前から気づいてたぜ」

「え、ミ、ミクも?」

僕の質問には、何も答えずに、ただラムネの缶を緩く振っていた。

「あいつも女の子だしな。で、俺からの質問」

タスクは、ニッと笑う。

「何?」

「ハクちゃんの話。もう一年経ってる」

「まだ、一年だ」

すかさず、訂正するも心にはその言葉がのしかかる。
お前は関係ないだろ。
と突き放すことも出来ず、そこから声は発せなかった。
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