君ノいない世界 【完】
一年前、僕の彼女だったハクは病気で死んだ。
子供の時からの持病だったそうで、高校一年生までよく頑張ったと医者は褒めていたらしい。
そんなの知らない。
ただ、とてつもなくあっけなかった。
凛としてて、月から下りてきたような美人だった。こんな僕には合わないのは明確なのに、君はいつも笑うのだ。
「リオは私の未来だから。」
それだけ言って。
そんな悲しそうに笑うなよって表で言って、家に帰って泣いた。
付き合う前から分かっていた。君は僕より早く死ぬ。
分かっていたけど分かっていなかったから、死んだ時もやっぱり分からなかった。
冷たくなった君は、凛としていた。
病室で僕が寝てしまって朝、目が覚めた時のように、綺麗な顔を僕だけに見せて、
「おはよ」と笑ってくれそうだった。
命の終なんて感じさせない。
鮮明に覚えている。
鮮明すぎるから、怖い。
あの手紙もずっと持ってるし。
子供の時からの持病だったそうで、高校一年生までよく頑張ったと医者は褒めていたらしい。
そんなの知らない。
ただ、とてつもなくあっけなかった。
凛としてて、月から下りてきたような美人だった。こんな僕には合わないのは明確なのに、君はいつも笑うのだ。
「リオは私の未来だから。」
それだけ言って。
そんな悲しそうに笑うなよって表で言って、家に帰って泣いた。
付き合う前から分かっていた。君は僕より早く死ぬ。
分かっていたけど分かっていなかったから、死んだ時もやっぱり分からなかった。
冷たくなった君は、凛としていた。
病室で僕が寝てしまって朝、目が覚めた時のように、綺麗な顔を僕だけに見せて、
「おはよ」と笑ってくれそうだった。
命の終なんて感じさせない。
鮮明に覚えている。
鮮明すぎるから、怖い。
あの手紙もずっと持ってるし。