君ノいない世界 【完】
翌日、最後の補習のために学校に来ていた。
最終日だから、早めに終わった。
嬉しいはずなのに、気持ちは沈んでいた。
昨日の今日で、覚悟はしていたが、ミクは目も合わせてくれなかった。
馬鹿。
そう罵ることがないのも寂しいものだ。柄にもなくミクを求めていた。
ボーッしていると時間が経つのが早いようで、教室で気がつけば寝てしまっていた。
時計を見ると、午後八時をゆうに過ぎていた。外に太陽は居なかった。
「……帰るか」
特に誰に聞かすでもなく言うと、立ち上がった。
帰りにちらりと頭をプールが過ぎった。




行かなきゃ




何故かわからないが、そう確信した。
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