君ノいない世界 【完】
やめてよ。
僕よりも頭が良くて、顔が整ってて、モテて、友達も沢山いて、周りを笑わせて、
なんでも僕より持ってる君がそんなこと言うの。
ただ、

僕より命が少なかっただけなのに。


「君の未来は華やかだよ。こんな僕なんて」

口に出せば尊くて、言葉は一瞬で重りを外す。軽い、とても軽くなる。

『リオがどんなに自分を責めても、どれだけ変わっても、意味無いよ。』

その言葉は、僕をバッサリ切り落としたのだろうか。言葉としては、酷かった。
でも、おっとりした口調がハクだった。
それだけで嬉しいのだ。
矛盾してる。
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