職場恋愛
「実はね。この店舗に新しいシステムを導入することになって。それに伴って色々と変更点があるから、辞めるのはその後でもいいんじゃないかなと思うんだけど」



事務所の小さな机を挟んで2人ずつ対面している硬いソファーに腰掛けた。


謎の4者面談が始まって遠回しに考え直せという責任者の佐伯さん。

考え直さなくていいよ、今すぐやめろクソ女ども。


てか新しいシステムってなんなんだ。
この時期に。

普通年度末にやるだろ。



「私がいない間にたくさんの問題が起きたね。私が留守にしてしまったのももちろん悪かったと思ってるけど、ここまでくると各部署のメンバーに問題があるんじゃないかって話になってね」


責任者がいないのも確かに悪いけど、問題はどう考えても寺内。

あいつが来なけりゃいつも通りだったはず。


高木ちゃんの件はどうだか知らねぇけど。



「来年の4月からアルバイトと派遣社員を雇ってみようと思う。前から話はあったんだ。今回のことがなくてもいずれそういうことになるのは決まっていたんだよ」



バイトって。アホか。
社員ですらアホが多いのにバイトなんかもっとアホな猿しかいないだろ。



「そこで、だ」



呆れてものも言えない俺と終始だんまりの岩木、飯島に向かって急に大きな声を出した責任者。



「部署の構成を1から作り直すことが決まった。異動もあれば昇格、降格もある。これは来年アルバイトを受け入れるために必要なことなんだ」


何を言い出すかと思ったら。
やっぱアホだな。


俺を店長にすることが1番賢い。



「寺内さんはこれからもいるんですか?」


飯島は高木ちゃんにボロクソ言われて辞めるくせに寺内の心配か。


「それについても話すから聞いていてね」


責任者はスッと立ち上がってデスクの上から数枚の紙をヒラリと持ってきた。


「これが新しい部署編成リストだよ。これが今のね」


2枚の紙を前の小さな机に置いて見せられた。

< 508 / 543 >

この作品をシェア

pagetop