極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
「別に。怒ってないから」

「じゃあ、どうして私を避けるの!?」

 サラリと返事をする涼我とは反対に、私はエモーショナルに問い詰めてしまう。
 涙をこらえようとしたけれど、両目からポロリと零れ落ちて頬を伝った。

「和奏……」

 涼我が私の頭をなでようと手を差し伸べてきたけれど、すんでのところでスッと引っ込めた。
 いつもなら普通にしてくるのに、わざと触れてはいけないと敬遠されたようで、それがまた気に入らない。
 泣きながら睨むようにじっと涼我を見つめると、涼我も困ったように眉をひそめていた。

「悪いけど俺……和奏とはもう、友達やめるわ」

 イライラと悲しみ、両方の気持ちが入り混じっていたけれど、今の言葉で一気にイライラの気持ちがなくなって悲しみだけが残った。
 友達をやめる。そう宣言されたことは、この十八年間一度もなかったから。

「なんでいきなりそうなるの!?」

 普段からたくさん冗談は言い合うけれど、涼我の性格上、これは冗談にはしない。
 それがわかる分、今の言葉は本気なのだと心に傷をつけ、一気に出血多量状態だ。

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