俺様Dr.に愛されすぎて



それから真木先生は、パクパクと箸をすすめ、少し多かったかもと思っていた量をあっという間に食べ終えてしまった。



「ごちそうさまでした」



空になったお弁当箱に手を合わせて言う。



「弁当箱、洗って返すよ」

「いえ、大丈夫です。持ち帰ります」



手早くお弁当箱をしまってしまう私に、真木先生は「そうか?」と出しかけた手を引っ込めた。



「意外と面倒見よくて、いい嫁さんになりそうだな」

「……また『意外』って言った」



私のイメージってなんなんだか。

そうふて腐れたように言いながらも、彼の言う『嫁さん』の言葉にドキドキとしてしまう自分もいる。



それを隠すように顔を背けると、不意に真木先生はごろんと横になった。

それも、私の膝に頭を乗せる形で。



「わっ!なんですか!」

「腹いっぱいになったら眠くなってきた。少し寝る」



だからってこんなところで寝なくても……!

こちらの動揺をよそに、スーツのスカートの上に頭を乗せた彼は、そのままそっと目を閉じた。



本当に寝ちゃったし……。

膝の上で眠る真木先生に、私はどうしていいかわからず、彼の顔を見つめる。



睫毛、長いなぁ。

肌も白くて綺麗……下手したら私よりツヤツヤなんじゃない?

けれど、その目の下にはやはりうっすらとクマができている。



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