俺様Dr.に愛されすぎて



「かっ体って……無理です!払えるほど大した体じゃないですし!」



お世辞にもスタイル抜群とは言い難い自分の体を見ながら言い切ると、廊下を通り過ぎていく男性社員がぎょっとした顔でこちらを見た。

一方電話の向こうからは、『ぶっ』と吹き出す声が聞こえる。



『払えるほど大した体じゃないって……そうかもしれないけど、自分で言い切るか?』



って、少しくらいフォローしてよ!

おかしそうに肩を震わせる彼が想像ついて、恥ずかしさに頬が赤く染まる。



『いいよ、大した体じゃなくても。どんな藤谷でもいいから、会いたい』

「え?」

『俺と、デートしてほしい』



で、デート?

そういう意味での『体で』だったのだと気づいて、先ほどの自分の反応が余計恥ずかしく思えた。



『今度の日曜日空いてるか?その日俺も休みなんだ』

「空いてますけど……」

『じゃあその日にするか。時間や場所はまた連絡するから』



そう話をまとめると、真木先生は『じゃあまた』と会話を切り上げようとした。



『あ、藤谷』

「はい?」



かと思えば、思い出したように言葉を付け足す。



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