俺様Dr.に愛されすぎて
それからバタバタと一週間は過ぎ、迎えた日曜日。
私は新宿駅の改札を抜け、待ち合わせ場所の東口を目指す。
目の前のガラスに映るのは、白いトップスにピンクベージュの膝丈スカート、パンプス、といつものシンプルなスーツ姿とは打って変わった服装の自分だ。
しっかり巻いた髪と、いつもより念入りに塗ったマスカラ、爪を彩る薄いベージュのマニキュア……。
おかしくないよね、大丈夫だよね。
気合い入ってると思われるのも恥ずかしいけれど、きちんとおしゃれもしたいし。
コツコツとヒールを鳴らしながら歩き、東口へと出ると、すぐ目の前の柵に寄りかかる真木先生の姿があった。
黒いパンツにボーダー柄のトップス、ダークグレーのテーラードジャケットというきれい目な格好がよく似合っている。
まるでモデルのような彼に、周囲の視線も集まっている。
さすが……立っているだけでかっこいい。
遠目からほれぼれと見つめていると、その間にも女性がふたり「すみませーん」とキャッキャとはしゃぎながら駆け寄ってきて真木先生に話しかけた。
連絡先を聞いているのだろうか、うっとりとしながらなにかを言ってスマートフォンを手にする彼女たちに、真木先生は困ったように首を横に振っている。
あれだけかっこいいと女性から声もかけられるよね。
そんな彼の隣に立っていいのだろうか、と近づくことを躊躇ってしまう。
けれど、不意にこちらを見た真木先生と目が合い、彼は私に気づいた。