あなたと私の関係



結局その後二人分のご飯を作ったけれど雨宮さんは本当に部屋から出てきてくれなくて。




本当に寝ちゃったのかな?




どうしよう。雨宮さんにこんなに本気で怒られたのは初めてで、どんどん悲しくなってきた。





「っ、ふ」




誰かを怒らせるなんて経験があんまりなかったからかな。




喉が詰まったように苦しくて、勝手に涙が出てくるの。





雨宮さんは心配してくれてたのに、まるで踏みにじるみたいな形になってしまったことが不甲斐なくて。




どうしよう。呆れられた?





また子供だって、思われた?





どうしてこんなに苦しいんだろう。





お母さんやお父さんに怒られたってこんな気持ちになったりしなかったのに。





お風呂に入って、髪を乾かして。




本当は台本をしっかり読み込んで明日に備えようと思っていたけれどそんな気にもなれず。




ごめんなさい、圭吾先輩。




私、明日も多分、全然ダメです。





本当は、晩御飯を一緒に食べながら今日あったことを話したかった。




頑張れって応援して欲しかった。




なのに上手くいかなくて、私の無神経で怒らせた。





仲直り、できるかな。




さっきまで演劇のことでいっぱいだったはずの私の頭の中は、結局再び雨宮さんで埋め尽くされてしまって。





私はその日、お父さんが亡くなって以来、初めて枕を濡らして眠った。






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