あなたのことは絶対に好きになれない!
「久美香ちゃんさ、LINEのID聞いてもいい?」

「え? あ、うん」

彼につられるようにして携帯を取り出し、IDを交換する。

オウスケくんとお父さんと、数人の会社の人しか登録していなかった友だち一覧の画面に、康太くんの名前が載る。


そして。



「彼氏に何かされたらさ、いつでも相談してくれよ。男目線で聞いてやれる話もあるだろうし」

「え……?」

「な?」

そう言われ「う、うん……」と答えてはみたものの。
何かされたらって何?
確かに昔はたくさん泣かされたけど……今は違う。
今のオウスケくんもあの頃と同じ、ただ意地悪で怖いだけの対象だと思われていると思うと、少し悲しい。


だけど康太くんは康太くんなりに心配してくれているのだろう。私はそれ以上は何も言わなかった。
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