あなたのことは絶対に好きになれない!
「どうしたって、何が?」

「様子が変だよっ」

ここ最近、私の前でも王子様モードなのはどうしてかという疑問を直接彼にぶつけた。



好きな人に優しくされるのはもちろん嬉しい。


だけど、これは〝オウスケくん〟じゃない。
他の女性社員から見た〝早坂さん〟だ。


私は、〝オウスケくん〟が好きなんだ。〝王子様の早坂さん〟が好きな訳じゃない。

意地悪なオウスケくんの、分かり辛いけど本当は優しいところが好き。
昔いじめられていた頃の思い出も全部含めてーー私は今のオウスケくんが好きなんだから。




他の女の人と同じように接してこないで。




私には、



私にだけは……





「いつもみたいに意地悪なこと言ってきてよ……」




すると突然、


ピッ

という電子音が聞こえた。



そして何故か携帯を見つめながら「よし」と言う彼。


嫌な予感がしつつも「よしって何が?」と聞くと、



【いつもみたいに意地悪なこと言ってきてよ】


という、たった今口にしたばかりの私の言葉が、声が、彼の携帯から聞こえてきた。



…….録音されてた⁉︎



バッと彼を見ると、心底おかしそうにクックッと肩を揺らして笑う。




「自分でこう言ってるんだから、もう俺に何されても仕方ないよなぁ?」



顔の前で携帯を揺らしながらオウスケくんはそう言った。
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