あなたのことは絶対に好きになれない!
結局、言われた通り十九時に私は駅の改札前でオウスケくんの到着を待っていた。
「お、ちゃんといるじゃん」
十九時十分前にそこへ到着したオウスケくんは、私の姿を見ると、感心したかのようにウンウンと頷く。
そういう風に言うってことは、彼の中ではもしかしたら私が約束をしらばっくれて待っていない可能性もあったのかもしれない。
いや、ないか。彼は絶対、私が待っていると思っていただろう。だって、口元がニヤッとしてるもん! この笑い方、私のことをいじめていた時の、意地悪な笑い方だもん!
「…….約束でしたから。一方的で乱暴な約束でしたが」
なるべく目を逸らしてそう言うけど、オウスケくんは私の顔を覗き込んでくる。
おかげで目がバッチリ合ってしまった。しかも、近距離で……。
「なっ」
思わず後ずさるけど、オウスケくんはしれっとした顔で、
「昔とそんなに顔、変わらないな」
と言ってきた……。
瞬間的に、昔の彼の言葉を思い出す。
『クミのブース』
ああ、そうですか。私は昔と変わらず今もブスってことですか。
そりゃあ、メイクも薄いし、髪も一度も染めたことがないから昔と変わらない黒髪だし、大きく変わったところは確かにないだろうけど。
やっぱり、腹が立ってきた!
流されるままにここに来てしまったけど、今からでも帰ろうかな。
「よし、行くぞ」
「あっ、ちょ、待っ……!」
……それも叶わず、結局、スタスタと歩いていく彼の背中についていくのが精一杯で、気が付いたら歩いて五分ほどのところにある小さな居酒屋に連れてこられた。