あなたのことは絶対に好きになれない!

「……え⁉︎」

顔がボッと熱くなる。

昼間の吉山さんといい、今日は何でこんな質問ばっかりされるの⁉︎
もしかして私、感情が顔に出まくってる⁉︎


素直に認めることなんて出来ない。

……だけど、昼間みたいにムキに否定することも出来なくて……。


深央ちゃんはそれ以上は追求してはこなかった。

その後、深央ちゃんが携帯を取り出し、今私と一緒にいることをオウスケくんにLINEしようとしたけれど、


「深央?」

そのタイミングでちょうどオウスケくんが現れた。
すぐそこの駅で待ち合わせする予定だったらしいから、このタイミングで鉢合わせてもおかしくはない。


そして。

「何で久美まで一緒にいるんだ?」

至極もっともな質問をされてしまう。
だけど、オウスケくんのことで悩んで落ち込んでいたから深央ちゃんがご飯に誘ってくれた、なんて言えるはずがなく、モゴモゴしてしまう。

すると深央ちゃんが。


「あ。私、急に用事思い出したー」

なんて言い出して……。
私もオウスケくんも、思わず「え?」と声を合わせる。


「なので私は帰ります! レストランは二人で行って来て!」

「おい、何勝手なことーー」

「じゃあ!」

オウスケくんの制止も聞かず、深央ちゃんは去っていく。


ていうか、本当に用事がある訳じゃないよね? 〝用事思い出した〟ってすごい棒読みだったし……。


私に気を遣ってくれたってこと⁉︎
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