あなたのことは絶対に好きになれない!
「本当、オウスケくんってば。
実はそんな風に思われてたって知ったら、皆怒るんだからね」

「だろうな。だから優しいキャラを貫き通すっていう話だよ」

「もう! そんなの全然優しくないんだからね。
本当、王子様キャラのくせに、実は全然女心なんて分かってないんだから」


するとオウスケくんは、私の目をじっと見つめる。


瞳の奥の方まで真っ直ぐに見られている気がして、思わずドキッとする。


すると。



「女心を分かってないから、大好きだった子をいじめちゃったんだろうな」



笑いながら。でもその笑みは、どこか自嘲を含んでいて。
彼が言っていた〝優しく出来なかった後悔〟というものを感じる。

本当に私のことを昔から好きだったんだ……ということを改めて感じ、ドキンと胸が高鳴る……。
< 88 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop