キミと初恋。
広場に着くと、簡易なステージが用意されて、そのステージの周りには人がそれ以上近寄れないようにポールが立てられ、紐でキープアウトされている。
その上その紐の前には警備員の姿も数名立っていて、やけに厳重だ。
「何が始まるんだろう……?」
ステージの階段近くに到着した私たちは人混みは多いものの正面よりはマシだった。
さっきより体がダルく感じていた私にとって、正面は拷問だ。あそこはきっと人混みのせいで酸素が薄く、ここよりも呼吸がしづらくなると思う。
そんな風に思っている時だった。
「あっ……」
まるでため息でも零したかのようにか細く、小さな声が颯ちゃんの口から溢れでたと同時に、この会場にいる人が一斉に声を上げた。
割れんばかりの歓声に、私は顔を上げた。すると、颯爽と舞台の階段を登り始めたのは……。
「お姉ちゃん」
姉の風花だった。
お姉ちゃんの姿を確認した聴衆は、さらに歓声を高めた。空気さえも引き裂きそうなほどの声にも、私の耳には届かない。
歓声はどこか別の場所から聞こえてくるようなそんな、妙な感覚だった。私の心は波がうねりざわついているにも関わらず、どこか静かだった。
その上その紐の前には警備員の姿も数名立っていて、やけに厳重だ。
「何が始まるんだろう……?」
ステージの階段近くに到着した私たちは人混みは多いものの正面よりはマシだった。
さっきより体がダルく感じていた私にとって、正面は拷問だ。あそこはきっと人混みのせいで酸素が薄く、ここよりも呼吸がしづらくなると思う。
そんな風に思っている時だった。
「あっ……」
まるでため息でも零したかのようにか細く、小さな声が颯ちゃんの口から溢れでたと同時に、この会場にいる人が一斉に声を上げた。
割れんばかりの歓声に、私は顔を上げた。すると、颯爽と舞台の階段を登り始めたのは……。
「お姉ちゃん」
姉の風花だった。
お姉ちゃんの姿を確認した聴衆は、さらに歓声を高めた。空気さえも引き裂きそうなほどの声にも、私の耳には届かない。
歓声はどこか別の場所から聞こえてくるようなそんな、妙な感覚だった。私の心は波がうねりざわついているにも関わらず、どこか静かだった。