キミと初恋。
その後、食堂があまりにもうるさいからと、先生達がやって来て、その渦中にいる私達はこっぴどく叱られた。


「先輩、ほんとひどい」

「悪かった。悪かったとは思ってる」

「初めからああするつもりだったんですね」


私は半泣きで先輩を睨みつけた。

正直ショックだった。

想いを伝えるつもりはなく、先輩に近づくつもりもなく、ただひっそりと想い続けてればそれで満足だった。

そんな私の淡い恋心を弄ばれた気分だ。

見事に砕け散ったと表現したっていいほどに。


「いや、あれは完全に流れでそうなっただけだって。巻き込んで悪かった」

「途中楽しんでるように見えましたけど」

「やるならとことんすべきだと思ってな。言い出した手前、中途半端じゃ誰も信じないだろ」

「私としては信じて欲しくなかったんですけど」

「だからごめんって」


先生達に怒られ追い出された食堂の帰り、ひとまず私達は人気のない校舎の裏へと向かった。


「明日また食堂でよろしくな」


なんて懲りない先輩の言葉を私は無視をする。

もうあんな目に合うのは嫌だ。私は濡れた髪をハンカチで拭きながら、なんだかみじめな気分だった。


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