隣の席の三島くんには彼女がいたんだってさ。
––––コツン
右隣から飛んできたのは、丸まった紙切れ。
ゔっ!こ、これは……!
ゆっくりと振り向けば、三島くんと視線がぶつかる。
口パクで「あ・け・て」と言いながら、紙を指差している。
私は授業をしている先生をチラッと確認すると教科書を立て、その陰でそれを開いた。
そこに書かれていたのは––––
【昼休み、屋上に来て】
***
三島くんの髪は柔らかいのか、風が吹くとさらさらと優しく舞う。
不安気な私に振り向くと、彼は穏やかな顔で笑った。
「北川さん。昨日はごめんね。つい、むきになっちゃってさ」
「…私こそごめんね。三島くんと元カノさんのこと、何も知らないのに…あんなこと言って」
「ううん。北川さんの言う通りだよ」
「地味で大してかっこよくないってやつ?あれ、本当はそんな風に思ってないよ?」
「ふ。それもそうだけど、違うよ。昨日北川さんに言われてはっとしたんだ。俺、全く前に進もうとなんてしてなかったなって」
三島くんは、屋上の柵の前の段差に腰を掛ける。
「だから、北川さんに指摘されてちょっとキツかった」
「……うん」
右隣から飛んできたのは、丸まった紙切れ。
ゔっ!こ、これは……!
ゆっくりと振り向けば、三島くんと視線がぶつかる。
口パクで「あ・け・て」と言いながら、紙を指差している。
私は授業をしている先生をチラッと確認すると教科書を立て、その陰でそれを開いた。
そこに書かれていたのは––––
【昼休み、屋上に来て】
***
三島くんの髪は柔らかいのか、風が吹くとさらさらと優しく舞う。
不安気な私に振り向くと、彼は穏やかな顔で笑った。
「北川さん。昨日はごめんね。つい、むきになっちゃってさ」
「…私こそごめんね。三島くんと元カノさんのこと、何も知らないのに…あんなこと言って」
「ううん。北川さんの言う通りだよ」
「地味で大してかっこよくないってやつ?あれ、本当はそんな風に思ってないよ?」
「ふ。それもそうだけど、違うよ。昨日北川さんに言われてはっとしたんだ。俺、全く前に進もうとなんてしてなかったなって」
三島くんは、屋上の柵の前の段差に腰を掛ける。
「だから、北川さんに指摘されてちょっとキツかった」
「……うん」