恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
「京介くんたちは、あれ? 洋画のアクションの」
「そうそう」
「だと思った! じゃあね、人が待ってるから」
京介くんの友達からすれば、私はやっぱり良くは思われないだろう。
だから、素っ気なくなりすぎないよう、出来るだけ早く話を切り上げる。
笑顔で取り繕って東屋さんのところへ戻ろうと歩き出すと、追うように嫌味な声が飛んで来た。
「何あれ、全然悪いとも思ってないんじゃね」
「おい!やめろよ!」
「ころころ男鞍替えするような女別れて正解」
わざとらしく、聞こえるように言われてる。
そりゃ、そうだよ。
私だって友達が心変りで振られたりしたら、何ソイツって思う。
何言われたって仕方ないってわかってて、それでも好きで好きでどうしようもなくて自分で決めたこと。
本当に人を好きになるってことを、初めて知った。
振り返らずに早足で人波を抜け見つけた背の高いその人に、抱きついてしまいたくなった。
残念ながら人前だし、彼の手にはドリンク二つとポップコーンが乗った簡易トレーがありそんなわけにはいかなかったけれど。
「おまたせしました!わ、ポップコーン大きい!」
「俺も驚いた。まあ、二時間?二人で食えばなんとかなるだろ」
「大丈夫です、キャラメルポップコーン大好きだし」
「一花?」