恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
前のキスマークは、一週間ほどで消えてしまった。
消えなくていいのにと思ったのに、待っててって約束までなかったことになったらって、本当に寂しくて。
肌に同じ感触が甦る。
熱くて、ちくっと痛い。
目を開けて胸元を見ると、新たに付けた痕を彼が指で撫でていた。
それを見ていると、自分がすごく愛しんでもらえているような気がして、じん、と目が潤む。
「あ、東屋さ、」
「ん」
胸から鎖骨までキスで辿って、再び真上まで戻ってきた彼は、私の頬と瞼にキスをする。
そして、こつ、と額を合わせたら。
「大事にする」
「はい……」
「好きだよ」
昼間一度だけしか聞かせてくれなかった言葉を、ちゃんと目を見て言ってくれた。
雑踏の中で、一度は耳を掠めた言葉だ。
なのに今度は、深く胸に染み入って涙の気配を一層強くする。
「ほ、ほんとに、ですか」
「ほんとだよ」
「からかってない?」
「どんだけ信用無いの俺」
だって、私、東屋さんにろくなことしてないし。
無神経なことをしただけ。
好きで好きでどうしたらいいかわからなくて、付きまとったようなもの。
堪えきれずに眦から涙が零れた。
唇が戦慄いて、言葉を出せなくなった。