恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
「信用してくれるまで、何回でも言うよ」
瞼にキスが落ちて来て、その後唇に触れたら少し、しょっぱかった。
啄みながら、何度も何度も
「好きだよ」
「一花が、好きだよ」
私に言い聞かせるように、繰り返される。
私も返したい、と思うのに涙で詰まって中々声が出なくて。
「私も好きです」と漸う、絞り出した後。
穏やかだったキスが、深く舌を絡めるものに変わった。
キスの仕方、ひとつ。
今までとまるで違うことに、気が付くまでそれほど時間はかからなかった。
気持ちが通じたことで、私の気持ちが昂ってるのか、それともこれまで随分、手加減されていたのかも、しれない。
舌を絡ませ撫でられると、身体の力が抜ける。
それがたまらなく心地よくて、甘い声が鼻から抜け思考回路も溶かされた。
目を開けても、世界は霞がかかったようにぼんやりとしていた。
大きくて温かい手に肌を撫でられながら、長く続くキスに夢中で応じる。
「んんっ、ん、あ、」
息が上がり始めた頃、唇はキスから解放されたけど。
キスの代わりに身体中の肌を唇が這って辿る、それは丁寧に、しっとりと。
時折悪戯に、痕を残しながら。