恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
指も唇も、全部が愛しいと伝えてくれていた。
汗や涙にまみれた私の顔中に、優しくキスをする。
彼の手に、キスに、肌の温もりに酔って恍惚とした時間。
ふと、彼が手を止め、私の瞳を正面から覗き込んだ。
何、と彼を見上げれば、答えの代わりにキスをひとつ。
「好きだよ」
吐息のような、告白を聞く。
それを合図に私に入り込もうとする熱に気づいたが、それが何を意味するのか理解よりも先に痛みに身体が強張った。
「いっ、あ!」
押し進んでくる、熱傷のような痛みはすぐに範囲を増して余りの痛みに息が止まった。
待って、こんな痛いなんて、知らない!
息が吸えなくて、空気を求めて唇だけが動く。
逃げようにも片足を持ち上げられて上手く行かない、シーツを強く握って耐えても彼はまだ奥へ奥へと入ろうとする。
「ひっ、い、いたいっ!」
涙混じりの悲鳴に、漸く圧力は弱まった。
上から、熱を逃がすような長い吐息が聞こえる。
「……もう、少し。力抜ける?」
「む、無理、無理ぃ……」
優しい声音に新たな涙が溢れてつい、泣き言が漏れる。