恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
ホームで電車待ちの間、コンパクトをバッグから引っ張り出して自分の顔を見てみると、見事に充血して真っ赤に潤んでいる。
「うわぁ……」
大好きになった横顔に、ここまで衝撃を受けるなんて思わなかった。
もう少しは、平静でいられると思ったのに。
大丈夫。
ここのとこ、幸せ過ぎて少し贅沢になってしまっていたのだ。
私のことを、彼女にしてくれて、好きだって言ってくれた。
大事に大事にしてくれてる。
今もまだ消えない彼女への想いを心の奥に隠してたって、どうして責められる?
はあ、と大きく深呼吸した。
東屋さんに何も言わずに出てきてしまったけれど、飲み会の後迎えに来てくれるって言ってた。
ちょうどよい、と思った。
飲み会の間に気を紛らわせて、気持ちを持ち直せばちゃんと、笑って東屋さんの前に出られる。
電車に乗って数十分、目的地の駅に降り立った頃。
バッグの中で振動しているスマホに気が付いた。
東屋さんの名前が表示されていて、私の心臓が跳ねる。
電話に出る勇気がなかった。
声を聞いただけで、再び泣き出してしまいそうで……だって今もう既に、また目頭が熱くなって唇を噛み締めなくちゃ今にも零れてしまいそう。
悩んでいる間に一度、着信が止まり、ふっと気が抜ける。
だけど、表示された着信件数に、驚いた。
「え?」
着信履歴を表示させて、並んだのは全部東屋さんからの着信だ。
会社を出て、数分後くらいからだろうか? 一分刻みで履歴が残っていて。
「……わっ」
また、スマホが振動しはじめた。