恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
どうしたら、いいんだろう。
泣いてるとこを見せたくないと思ったけど、よく考えてみればこの着信は異常だし、糸ちゃんから何か聞いてのことだというのは間違いない。
だったらきっと、もうバレバレなのだ。
俯いて髪で周囲から顔を隠しながら、べそべそと携帯の画面を眺める。
再び鳴り始めた着信に、私は躊躇いながらも通話に応じた。
何も考えられなくなった。
もう、どうすればいいのかわからないなら。
全部東屋さんに委ねてしまおう、か。
と、ふっと、気が緩んだのだ。
それくらい、思考が疲弊しきっていた。
『紗世?』
電話の向こうから聞こえた声の優しさに、声は出せなくてただただ嗚咽だけが漏れた。
『今、どこ?まだ電車?』
ふるりと頭を振った。
けど当然向こうには伝わらないわけで、続いた彼の言葉になんとか声を出す。
『紗世?』
「もっ……降りた。改札出たとこ、に」
しゃくりあげながらの明らかな涙声にも、彼は少しも動揺してなくて、やっぱりわかっていたのだと知る。